ぜんそくはどのような病気か

ぜんそくはヒューヒュー・ゼーゼーと言った喘鳴、呼吸困難、咳、痰の症状が特徴です。このような症状は夜間から明け方に多く起こります。ぜんそくは空気の通り道である気道に慢性の炎症がおこり、この気道が狭くなることにより生じます。気道の炎症はアレルゲン(ホコリ、ダニ、犬や猫の毛など)、ウイルス感染、タバコなどの刺激などで起こります。気道に炎症がありますと、気道は様々な後述する刺激に敏感に反応して狭くなります。

当院でのぜんそく治療の目標

当院では最新のガイドラインに従いぜんそく治療を行うことで、治療薬による副作用がなく、患者さんの苦しい症状を早期に治療するように心がけております。また、治療を継続することでぜんそくの原因である気道炎症や気道過敏性の亢進を改善させ、日常生活に支障のないように努めております。

ぜんそくの治療

ぜんそくは慢性の気道炎症により気道が過敏になり、ここに様々な誘因が加わることで起こることを説明しました。そこで、現在のぜんそくの基本的な治療は慢性の気道炎症を抑え、収縮した気道を拡張することが必要です。気道炎症は吸入ステロイド薬で治療し、収縮した気道は気管支拡張薬で治療します。ぜんそくを早期に診断し、吸入ステロイド薬を中心とした気道炎症を常に抑制すると、ぜんそく発作がなくなり、健康なヒトと変わらない日常生活が可能になります。日本や世界のぜんそく治療ガイドラインでも週に1回以上ぜんそく症状がある患者さんは吸入ステロイド薬を使用するように勧めております。そして吸入ステロイド薬のみでぜんそくが治らない時や中等症以上の重症の患者さんは、気管支拡張薬や抗アレルギー薬を併用して治療します。

ぜんそくの診断

ぜんそくに特徴的な症状(ヒューヒュー・ゼーゼーと言った喘鳴、呼吸困難、咳、痰)と呼吸機能検査で診断します。呼吸機能検査は気管支拡張薬の吸入前と後で、気管支が拡張するか否かですぐに診断できます。しかし、タバコを吸うヒトは肺気腫と言う病気も合併することがあり、気管支拡張薬の作用が低く、診断が難しいことがあります。

ぜんそくの誘因

ぜんそくを起こす誘因を頻度の多い順に紹介します。一番の原因はカゼ(感冒)です。順にホコリなどのアレルゲン吸入、台風や梅雨などの天候の変化(気圧の変化)、疲労、ストレス、タバコ、運動、睡眠不足、アルコール、花粉症、月経、薬物、妊娠などです。